<個人宅だけではない!企業向けもある片づけサービス>
―――法律事務所の社員向けに片づけ研修を取り入れたきっかけを教えてください。
「くらしと片づけ研究所」のリーフレットのなかに、企業向け片づけサポートという項目があったんです。片づけって個人の住宅向けサービスがメインだと思っていましたが、企業の 片づけもやってくれるんだと知りました。まずは単発でオフィス内の自分の部屋の片づけをお願いした後、会社全体の定期的な片づけ研修も依頼することにしました。
<これまでの常識を疑い、新しい視点を持ち込むことによる業務効率の改善>
―――片づけ研修をして良かったこと、変化したことなどを教えてください。
一番の変化は、事務スタッフの部屋にあった来客用待合スペースをなくしたことですね。ここは私の入所以前からあった場所で、そこにあるのが当然だと思って疑いもしませんでした。けれど、業務が拡大し、スタッフも増えるなか、このスペースのせいで、事務スタッフの働くスペースが圧迫されていました。今回の研修でそのことに気づき、解消できたのが何 より大きな成果でした。おかげさまで、広くなったスペースにはこれまで置けなかったモニターも設置でき、作業効率は2倍以上になったと言えると思います。
―――片づけ研修を業務の一環として取り入れることに、社員の方からの反発などはありませんでしたか?
社内研修を取り入れたのは初めての試みでしたが、反発は特に無かったですね。もともと、 事務スタッフのスペースが狭いことが問題点となっており、なんとか合理的な使い方はできないものかと話していたので、研修によって何か良い策があれば、という期待もあったと 思います。
反発どころか、待合スペースを撤去して、これまで狭い机を使っていた事務スタッフにも広いデスクを購入すると決定した時の彼女たちの喜びようはすごかったですね。
レイアウト変更の日、私は仕事で不在だったのですが、みんなきっと楽しくワイワイやっていたんだろうと想像しています。と言うのは、翌日私が事務所に来た時のスタッフが本当にうれしそうで、笑顔にあふれていたんです。これは決断して良かったと思いましたね。
―――これまでの当たり前を変えようという徳矢先生の決断力も素晴らしいですね。
実は、片づけ研修をすることで、経営者は逆にラクになるんです。社内の作業フローや片づけのルールを社員みんなが考える場を設けることで、経営者がいちいち指示を出すストレスから解放されます。その分を自分自身のやるべき仕事へと注力できるので、そういう意味でもこの研修はありがたかったです。
<その場その場に合わせたフレキシブルなプログラム設定>
―――片づけ研修の内容はいかがでしたか?
前半は講義やワークで片づけの理論を学び、後半は実際に社内を片づけるという二部構成が良かったです。やはり、実際に体を動かして片づけるのは、個々人の采配に任せているだけではうまくいかないので、研修としてきちんとそのための時間を確保することが大事だと痛感しました。
また、片づけをしていて分からないことや困ったことがあると、その場で具体的なアドバイスをもらえるのも効果的でした。 スタッフからは、「毎日使うものは手に取りやすく、戻しやすい場所に置くというのを意識 するようになった」とか、「少しの意識や工夫で隙間スペースも有効活用できると実感した」 などの感想がありました。
―――ワークの時間が⻑引いて実習が出来なくなったこともありましたね。
あの時は講師の方は切り上げて実習に移ろうと考えて下さっていましたが、社員の一人が 「これは重要なことだから今日はこのままディスカッションしましょう」と意見を言い、講師の方もそれを汲んで柔軟に研修内容を変更してくださったのも良かったです。社内の整理整頓だけでなく、社員が職場環境をより良くしようとポジティブな姿勢を持ってくれる 機会になったと思います。
<片づけ研修の究極は、社員間コミュニケーション>
――――今後、片づけ研修を検討される方へのメッセージをお願いします。
片づけは理論を学び、継続的に実践することで、ようやく習慣化するものだと思います。 日々忙しい業務に追われている会社こそ、それを研修という形で取り入れることで、経営の効率化が出来るのではないでしょうか。
また、こちらの研修ではワークを多く取り入れることで、社員間のコミュニケーションが円滑になるというメリットもあります。弊社では、その延⻑線上で毎月お茶会をすることになり、今も続いています。当番が用意した美味しいスイーツを食べながら業務改善案が出ることもあり、社員みんなの忌憚ない意見を吸い上げる場となっています。
何より、片づくと誰でも気持ちがスッキリしますよね。気持ちがスッキリすると、仕事も捗るし、社員同士の人間関係も良くなる。何よりの効用だと思います。