<素晴らしい経営が行われている保育園は環境も整っている>
―――保育園のスタッフ向けに片づけ研修をすることにしたきっかけを教えてください。
経営の勉強会で、他の園や会社に見学に伺う事があって、やはリ、経営の素晴らしい会社は、整理整頓が行き届いているんです。弊園でも片づけはずっと気になっていて、片づけ研修をしていただける会社を探していたんですが、一回きりのプログラムだったり、価格が見合わないなど、なかなか実施に至っていませんでした。
そんな時に知人からご紹介いただいたのがくらしと片づけ研究所さんでした。定期的に来て下さることと、決まったプログラムではなく、うちの園に合わせてオリジナルな内容を作ってくださると言うことでお願いしました。
保育園というのは元々モノが多い職場だと思いますが、特に先生方の手作りのモノが本当にたくさんあるんです。もう全然使っていないものでも、人が作ったものって捨てにくいんですよね。とても良くできているしもったいないとか、また使えるかもとか、判断も人によって違うし、園長の私から指示するのは角が立つし。研修では講師の方が強制的でもなく、決して上から言うわけでもなく、スーッと捨てさせてくださるので、いつも感心しています。
片づけなのにしまわない?第三者による新しい視点
―――研修のなかで印象的だったことなどあれば教えてください。
あるおもちゃについて、講師が敢えて見せる収納を提案されたことです。このおもちゃは処分すべきかどうか考えていたのですが、目に付く場所に置くことで存在を忘れないし、使うかどうかの判断もつけやすい。片づけって、いかに隠すかという意識だったので、目から鱗でした。こういった私たちでは気づかない視点を毎回ご提案くださるのがありがたかったです。
職員スペース入り口のカーテンを暖簾に変更したのも良かったです。保護者や来客から見えないようカーテンを付けていたのですが、いちいち開け閉めするのが面倒で、開けっぱなしになることもしばしばでした。研修で話し合ううち、暖簾の案が出ました。これだと両手にモノを持っている時も通れます。使いやすくて助かっています。
―――2年近く片づけ研修を継続していただいていますが、成果はいかがですか?
一番気になっていた場所がきれいになったことが何より嬉しいです。やはり環境が整うと、気持ちも落ち着きますから。スタッフの意識も変わりました。スタッフのなかには片づけが得意な人とそうでない人がいますが、研修によって、共通のルールが出来たことで、モノが置きっぱなしになることもなくなりました。配置換えをするときも、何となく収納するのではなく、どこに置くのがベストかみんなで考える習慣もできました。
職場の片づけをきっかけに自宅の片づけも頑張るスタッフが続出
―――片づけ研修を導入することに対してのスタッフの反応はどうでしたか?
これまでにも保育に関する研修はさまざま取り入れていたので、特に抵抗は無かったです。スタッフも片づけには悩んでいたので、むしろ積極的に取り組んでくれたと思います。しかも、保育の研修の時はみんな控えめでなかなか発言してくれないんですが、片づけ研修だと、意見がよく出るんです。講師が上手に引き出してくださるからだと思います。
最近はみんな自宅の片づけも頑張っていて、キレイにしたところの写真を送ってくれたりしています。園で片づけ研修があった日は、自宅も片づけたくなるんだそうです。
―――嬉しい副産物ですね。
後は継続が大事だと思いますので、研修として定期的に片づけの時間を確保することで、少し乱れてきてもすぐに立て直せるようにしたいですね。
―――これから片づけ研修を検討している方へのメッセージをお願いします
片づけは、業務効率が良くなることや職場の安全を確保するうえで、どんな業種でも必須の課題だと思いますが、保育園の場合、保護者の印象も良くなるということが言えると思います。見慣れた職場だからこそ、第三者の視線を意識した片づけ研修を定期的に取り入れることが重要になると思います。